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丸形だけではなく、八角形など角形の食器を手がけるようになったのは約20年前。当時から、生活スタイルの多様化を敏感に感じ取り、食事の場での使いやすさや収納のしやすさを考えながら変形の食器づくりに取り組み始めたという。
「マイセンなど洋食器で、5角形のカップがありますが、実際に使ってみると尖った部分が口に当たってしまうこともあります。そんなことから8角形のカップをつくってみようと思いついたんです」
食器の底の高台の部分もろくろで丸く削ってから、剃刀などで角形に丁寧に切り落とす。手による繊細な仕事のほか、実際の使い勝手や見た目を考慮に入れたデザインも雲泉氏の磁器食器の魅力の一つだ。
「日本の食器をモチーフにした洋食器もありますが、それは表面的なものをなぞったに過ぎません。高台一つとってみても、器を持って食べる日本の食生活にあわせて生まれたものです。そこでは見た目はもちろん、持ったときの感覚が大事になります。私は、実際に使ってみて、そこに改良を加えてから、色付けをして本焼をしていきます。なぜなら、食生活の変化とともに多様化する料理との組み合わせ、座卓ではなくテーブルでの食事での見た目や使い勝手は、実際に使ってみないと分からないからです」
自らの感覚によって自作の食器を吟味し、実際の使い勝手を試した結果、本当にいいものだけを商品として出荷している加藤雲泉氏。「職人」であり続けることにこだわり、現代の多様化した食生活で使われる「本当にいい食器」をつくり続けていることが、彼の人気の秘訣なのであろう。
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